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2016年09月15日 (木) | 編集 |
真のあきら攻めは続きます。






俺の目の前でゆっくり小さく頷く真の眼からは一瞬前までの光は消えていて嬉しそうな光が宿っている。


「正解です、いい舌をお持ちですね」

「ああ、この酒は俺が旅行先で呑んで惚れ込んだ酒だからな」

「旅行先で、ですか?」

「色々と遊んでいた高校時代に旅行で東北に行ったんだ。泊まった旅館で呑んだ味が忘れられなくて、帰って来てから親しくしていた外食部門の人に言ったんだ『あの日本酒を仕入れられないか?』って。そうしたらその人がすぐに商談に行ってくれたんだけど、その年の分の販売は終わってて『また来年いらして下さい。その時に改めてお話を聞きましょう』と体よく返されたんだそうだ」
「で、次の年に行ったんだけど契約出来ず、担当が変わっても引き継ぎ物件として毎年交渉をしているんだが未だに取引が出来ない状況だよ」


俺の話を瞬きもせず真剣に聞いている真。
総二郎も類も牧野も俺たちのやり取りを黙って聞いている。


「きっかけは美作さんなんですね。それにしても高校生でこの味に惚れ込むなんて……」


呆れた口調だけど唇はさっきよりも深い弧を描いている。唇の端がぴくぴくしているのは見ない事にした。


「美作さんは交渉に立ち会われたことは無いんですか?」

「俺には商談に口を出す権限はまだ与えられていないからな」

「そうですか。では来年は是非一緒に行かれる事をお勧めします。商談に口を出さなくても出来る事があると思いますので」


そこまで言うとラベルの貼られていない新しい酒をガラスの猪口に注ぎ「ちょっと度数が高いからつくしは少しだけ」牧野にだけそう付け加えて、俺たちの前に置き“どうぞ”と眼で示す。

一口含んで驚いた。
確かにアルコールは高いが鼻に抜ける豊かな香り。これはもしかして……


「あ、美味しい」

「いい香りだな」

「ん、凄いね」

「原酒……か?」


日本酒は搾った直後の度数が二十度を超える事もある強い酒だ。
そこに水を加えてアルコール度数を酒税の関係と飲みやすい十五度前後に調整してから販売される。
個性が強いために通好みの酒になり、一般向けしない事から原酒として出荷されるのは少ない。

それにこの香りは間違いない。

確信を持って真を見ながら口を開く。


「真、これは……そうだよな」

「本当にいい舌ですね。そうです、あのお酒の原酒です」


改めて真持って来た瓶を見る。ノンラベル。

ラベルの貼っていない瓶、て事は非売品?

真は販売されていない原酒を持っている。
真のバイトしている店でこの酒が提供されている。
しかもその酒は呑める店が地域限定と限られていて、地元以外ではほぼ取引は不可能だ。


「真。お前のバイトしている居酒屋とその蔵元との取引にお前が関係しているのか?」
「例えば……司護とパイプがあるとか」


気にはなっていた。

こんなマンションに住んでいるのにバイトをしているとか。
存在を隠さないといけないのだったら、働くのは接客じゃなくてもいいじゃないかとか。
そもそもお嬢様なのに働くのはなぜなのかとか。

そんな事が次々に浮かんできて渦に巻き込まれる様に絡み合い、俺の頭の中に一つの推論が導き出された。


真が言っていた『将来の為に東雲で修行中』って事は居酒屋にも当てはまるんじゃないかと。


「どうなんだ、真」

「あの居酒屋は司護の外食部門である音羽が経営していて、私はあのお店とチェーン店数店舗のプロデュースをしています」


俺の考えは当たっていた。
だが予想以上の当たり方に俺はもちろん、総二郎も類も牧野も口をぽかんと開けて驚くしかなかった。






美味しい日本酒が呑みたくなってきたぞ。
今の季節の楽しみは、ひやおろし♪
ドライブがてらお気に入りの蔵元に買いに行こうかな?


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