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2016年09月24日 (土) | 編集 |
今回は司サイトからのお話です。
読んだら“何のこっちゃ?”となるかもしれません。
 
 




牧野があきらん家に行くのは週に二回、火曜と金曜だ。
その貴重な二回なのに先週は行けなかった。
今週の火曜もだ!

つまり計三回分、牧野に逢ってねぇ。

ロスから旦那と喧嘩したからって帰って来た姉ちゃんが、パートナー同伴のパーティーにどうしても出なきゃいけねぇって俺をいきなりアメリカまで拉致したからだ。
そこで見たものは、美人秘書をパートナーに出席している義兄さん。
腰に手を当ててエスコートをしてはいないものの、息の合った二人を見た姉ちゃんの怒りの炎はさらに増した。


『司っ!あんた、もうしばらくこっちにいなさい。どうせ学園なんて行ってないんだからいっその事、夏休みが終わるまでいなさい。いいわね!』


じょーだんじゃねぇ!
そんな事したら牧野に逢えねぇじゃねーか。

でもそんな事を言えば姉ちゃんの事だ嬉々として日本に帰って来て、俺と牧野の中を引っ掻き回すに違いねぇ。

なんとか姉ちゃんの隙を見て日本に帰らねぇとと思っていたら、なんと姉ちゃんと義兄さんがお互いの会社の会食をしていたら、ホテルのレストランで偶然ばったりと会ってそのままあれよあれよと言う間に仲直り。


『司~あんたもういいわ、日本に帰りなさい』


ありえねー
マジでいろいろありえねー

でも気紛れな姉ちゃんの事だ。いつ気が変わるか判らないから、俺もとっとと日本に帰って来た。
それが今朝。

軽くシャワーを浴びて数時間仮眠をとって学園には昼前にやって来た。そのまま授業なんてもんには出ないでいつものラウンジへ。
そこには俺と同じ様に授業に出る事の無いあいつらがいた。


「やっと帰って来たのかよ」

「大変だったな、流石の司もあの姉ちゃんには逆らえないもんな。いつ帰って来たんだ?」

「今朝」

「マジかよ……ほとんど休んでねぇじゃん」

「そうだぜ、こんなとこ来てねぇで家で寝てろよ」

「牧野でしょ。司が来る理由は」

「……ぅ、わりーのかよ?」


類に図星を指されて顔を真っ赤にして逆切れをするが、そこには迫力なんてものは欠片も無い。
いたのは、初めての恋にあたふたするただの恋する十六歳の男だった。


「悪い訳なんてねーだろ」

「そうそう、お兄さんは司が可愛くて仕方がないよ」


人を信じず、特に女と呼ばれる生き物を嫌悪し金と権力を思いのままに振るい【猛獣】とまで呼ばれた男が初めての恋を知った。
そんな男が年相応の人間に成りつつある。それを間近で見られるなんて、こんな機会は滅多にない。

面白い物を見ている退屈しのぎの気持ちもあるのは確か、だけれど幼馴染の変化を好ましいものとして三人は受け止めていた。
だから揶揄いながらも助け舟を出して応援したくなるのだ。


「牧野だったら昼休みは中庭にあるケヤキの樹の下でお弁当食べてるよ」

「何で類が牧野の居場所を知ってるんだよ。…………でも、サンキュ」

「「「うわっ!司が礼を言った!!」」」

「うっせーんだよ!俺だって礼ぐらい言うんだ!!」



あいつらに何だかんだ言われても牧野に逢いたい。
もう十日以上も牧野を見てねぇし、声も聴いてねぇ。

昼休みのチャイムが鳴った。
類に教えられた中庭に向かう。が、俺の後ろからぞろぞろと余計なもんが付いてくる。


「てめーら付いてくんなよ」

「なんで?俺も牧野に会いたいよ?」

「俺たちもそうだよなぁ」

「だいたいお前ひとりじゃ間が持たないだろ?まともにつくしちゃんと話せないんだからさ」

「チッ、勝手にしやがれ」



もう少しで中庭と言う所で扉の前に群がる人だかり。


「あいつら何してんだ?」


扉の前で中の音を聞いているようだ。
「いけっ」「平泉君やっちゃえ!」近付くにつれて聞こえてくる声。
下卑た笑い声と煽る言葉。

その中の一人が俺たちが近付く気配に振り向いた。


「ど、ど、道明寺様!」


動転した声にいっせいにこっちを振り向き、俺の顔を見て驚いている。


「あ゛?」


「俺を見てそんなに驚くなんて失礼な野郎どもだな」そう言おうとしたその時、扉の中から聞こえてきた叫び声に俺は固まった。


「いやああぁぁぁぁーーーーーっ!!」
「助けてぇーーっ!」


中から聞こえてくるのは牧野の声。


「牧野っ!!」


扉の前にいる連中を突き飛ばし、厚い木の扉を力の限り蹴った。
派手な音を立てて壊れる扉が中に向かって倒れていくのがスローモーションの様に見える。

中に倒れた扉を踏み越えて俺が見たものは、髪を振り乱し手足をばたつかせながら叫んでいる牧野の姿だった。






流石は猛獣、一蹴りで木の扉を破壊。

なんとなく赤札の真相が解ってきたかも…


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