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2016年10月14日 (金) | 編集 |
司を真のイイ男にするべく頑張ってはいるのですが
 
 




確かに赤札を始めたのは俺だ。

親の敷いたレールの上を走らされるだけの自分の思い通りにはならない未来に夢も希望も持てず、鬱屈した思いを抱えて退屈しのぎに赤札を貼り始めた。
だから夢や希望に溢れた連中をターゲットにしていた。
俺の行動に意見をする正義感を振りかざす奴や、庶民のくせに特待生で英徳に入った眩しく見える奴らに、些細な理由で赤札を貼り自分の手は使わずに追い出した。

学園の中は俺に諂う奴らばっかりで俺が何も言わなくても勝手に狩りをしているのを、高い所から支配者気分で楽しくもないのに笑いながら見ていた。

気に入らない奴らを追い出しても何も変わらない。
それでも赤札を貼られてぼろぼろになって泣く奴らを見ていると、その時だけはスッとしたから貼り続けた。
そして赤札の餌食になった奴がいなくなると襲ってきたのは虚無感。

───俺の世界には要らない邪魔な奴がいなくなったのに。

虚無感を振り切る為にまた赤札を貼る、そしてまた虚無感に襲われる。

そんな俺の前に現れたのが牧野。
何をするのも一生懸命全力で取り組む牧野の姿は、それまでの俺だったら一発で赤札決定だっただろう。

───でも牧野に出逢って恋をした。

数か月前までの俺の中にあった鬱屈した思いは無くなって、あるのは牧野への想いだけ。
赤札なんて存在すら忘れていたぐらいだ。

その忘れ去っていた赤札が偽物とはいえ牧野に貼られた。
俺たちの所為で。



「浅井さんたちにペナルティーを受けさせるんだったら、道明寺さんもペナルティーを受けてもらいます」


とんでも無い事を牧野が言い出した。
背筋を伸ばしソファに腰かけた牧野は淡々と言葉を紡ぐ。

静かに話す牧野の声にこの先を聞きたくない気がしてならない。。

牧野の視線が俺からあきらにすいっと移った。


「あきらさんたちは親友なのに何をしてたんですか?」

「何も……」

「馬鹿な事をやってるな、と思ってた」

「見てた」


あいつらのセリフで牧野がキレた。
ソファから立ち上がり怒鳴りつける。


「あなたたちは他の生徒と違って道明寺さんに直接物言えるのにっ!何も言わず見ているだけなのは共犯者と同じですっ!!」

「見てただけなのに?」

「そうです。間違った事をしているのに止めないんですから、容認してると思われても仕方ないと思います」


そうだ、こいつらは俺のやっていた事を見ていた。
『何やってんだ』『司ヒマなの?』なんて言いながら。


「それに赤札を始めた道明寺さんが何のペナルティーも無いなんておかしいじゃないですか!そりゃ浅井さんたちがやった事は簡単には赦されない事ですけど、赤札さえあれば何をやってもいいなんて悪習を作った道明寺さんに罪はないんですか?」
「それと見ているだけだったあきらさんたちにも!!」


誰も牧野の迫力に押されて声も出ない。
今まで生きてきて誰かにここまで叱られた事が無いからどうしていいのか解らない。

姉ちゃんは問答無用にぶっ飛ばすからな。


「道明寺さんは言いましたね?『どうすればいい?』と」


確かに言った。
牧野に付き合いを絶たれたくない一心で。


「さっきあきらさんと約束をしたので、これからもこの家に来ます。でも、赤札を貼られたせいで英徳を辞めざるを得なかった人たち全員に謝罪するまで、あなたたちとは口を利きません」


牧野の一方的な宣言に俺たちは反論すら出来ずに、要求を呑まざるを得なかった。
誰もが牧野と離れるなんて考えたくも無かったから。





『学園でもこの家でも話しかけないで下さい』



あれから一ヶ月以上が過ぎたが牧野は有言実行で、顔を合わせても口を利いてはくれない。
あきらの家に来るのも自分の家に帰るのも送迎を断る徹底ぶり。


もっとも俺たちもあの日から赤札を貼って自主退学に追い込んだ連中の行方を捜して謝罪行脚で忙しくなっていた。
何て言ったって日本一のセレブ校と言われる英徳だから、日本全国から生徒が集まり謝りに行くのにも時間がかかる。
留学している奴もいたから海外にまで四人で謝罪をしに行った。

『もう過ぎた事だから』と謝罪を受け入れてくれた奴。
『思い出すから顔も見たくない』と拒否する奴。
圧倒的に後者が多かったが毎日謝りに行く俺たちを次第に赦していってくれた。

その謝罪もあと数人で終わる。



牧野、待ってろよ。






お仕置きされたのは浅井じゃなくてF4でした。


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